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話題のニュースを「リーダーの戦略」で読み解く

2021年3月25日、ニューズコーポレーションが「インベスタービジネスデイリーを買収すると発表した」という記事が出ました。ニューズコーポレーションは、いわずと知れたグローバルなメディアのコングロマリット企業です。

昨日は、日産自動車の動向について「競争地位別戦略のチャレンジャーの戦略」と述べましたが、このニューズコーポレーションの買収の動きは、「リーダーの戦略」そのものといえます。

リーダーの戦略定石は、全方位型という基本方針がありますが、細かく分類すると4つあると言われています。

1つは、周辺市場拡大です。
自分が位置する産業そのものの需要を拡大していくことによって、大きなシェアを持つリーダー企業の収益が高まるという定石です。

2つ目は、非価格競争です。
価格競争に陥ると、市場全体が縮小する傾向にあり、最も収益が落ち込みやすいのが高い市場シェアを持つリーダー企業なので、価格競争には対応しないというものです

3つ目は、同質化です。
チャレンジャー企業が、リーダーと差別化を図ってくるのに対し、リーダー企業は模倣をすることによって同質化によってチャレンジャー企業の差別化戦略を無効化しようとします。

4つ目は、最適市場シェア維持です。
あまりにも高いシェアを誇りすぎると行政などから指導を受ける可能性があるため、最適なシェアを維持するというものです。

今回の買収は、差別化しようとする企業に対する同質化に近いのではないでしょうか。

個人投資家を中心に、これから投資情報について関心が集まると言われています。
環境変化への適応が戦略の本質であり、全方位型の戦略でこの買収を意思決定したニューズコーポレーションは、まさにリーダーの戦略を体現していると言えるでしょう。

 

 

 


岩瀬敦智(Iwase Atsutomo)

経営コンサルタント。株式会社コンセライズ代表取締役。企業の価値を整理し、社内外にPRするコンサルティングを専門としている。特に中核人材に企業固有の価値と、経営理論を伝えることでリーダー人材の視座を高める講演や研修に定評がある。主著として、「MBAエッセンシャルズ(第3版)」共著(東洋経済新報社)、「マーケティング・リサーチ」共著(同文舘出版)など。法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科(MBAスクール)兼任講師。

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