【経営戦略を事例で解説】なぜスターバックスは質の高い接客ができるのか?

領域の設定

あなたは、あなたが勤めている会社の「ドメイン」が何か知っていますか?
今回のテーマは「領域の設定」です。
会社のドメインが理解できれば、会社は「誰に」「何を」「どのように」提供しているのかを掘り下げて考えられるようになります。
その上で、自身の業務は会社のどこに位置づけられているのかもイメージできるはずです。
では、いつものように事例を通して解説していきたいと思います。

戦略的に一等地へ出店

今回のテーマである「領域の設定」ですが、「事業領域の設定」と考えてください。
今日の主役はお馴染みの「スターバックス」です。
スターバックスは、コーヒーチェーンですよね。
全席禁煙だったり、美味しいコーヒーを飲めたり…色々なイメージがあると思いますが、スターバックスはどこかの地域に出店するときは「必ず一等地に出店する」という戦略を取ってきました。
日本におけるスターバックスコーヒーの1号店はどこだったか知っていますか?

接客に追われるとサービスがおろそかに

1号店は、東京の銀座でした。まさに一等地ですよね。一等地に共通する要素って何かというと、その町にいる人の数が多いということです。
そんな一等地に出店すると、当然ですが来店客数が増えますよね。
来店客数が増えると、もちろん会社としては嬉しいんですけど、働く側としてはどうですかね?
スタッフ側としては、接客に時間がかかっちゃうと怒られちゃうし…。
でもたくさんの人が来るから、なるべくテキパキと動かないといけないし…。
こんな感じで、とにかく来店した人たちを回していくのに一生懸命になるので、当然接客はおろそかになってしまうでしょう。
笑顔がなかったり、ちょっと受け渡しが雑になっちゃったり。
どうしてもそういう事って避けては通れないものですよね。
お客さま側としても、

「それよりも早くしてよ」

という人も多いでしょう。
ところがスターバックスの場合は、どんなに忙しくても一人ひとりのお客さまとのコミュニケーションを大事にしてそうですよね。
接客の質が高いと言えるんじゃないかなと思います。
さあ、ではなぜ、スターバックスは一等地に出店して大変忙しいにもかかわらず、質が高い接客が提供できるのでしょうか?

誰に・何を・どのように

その疑問の答えを紐解く鍵が、今回のテーマである「事業領域の設定」にあります。
事業領域・企業領域・事業領域など、さまざまな言い方がありますが、これらをひっくるめて「ドメイン」といわれています。

ドメインとは、企業が経営環境の中で、自社に適した企業経営や企業活動の範囲・領域のことです。
このドメインですが、いろんな決め方があります。
なかでも有名なのが「3つを決めれば企業のドメインが決まる」というものです。

1つ目がカスタマー(Customer)標的顧客:「誰に」
2つ目がファンクション(Function)顧客機能:「何を」
3つ目はテクノロジー(Technology)独自技術:「どのように」

企業活動の領域というのは、「誰に」「何を」「どのように」の3点を決めることによって決まると言われています。
おそらく存在しているすべての会社というのは、何かしら「誰か」に対して、「何か」を提供して、自分たちなりのやり方で「どのように」を提供してると思います。
つまり会社経営のドメインというのは、どのような会社でも必ず持っています。

スタッフの接客がドメインに

なぜスターバックスが忙しいにもかかわらず、質の高い接客を提供できるのか?
答えは、会社にはドメインがあり、活動の基礎になっているからです。
スターバックスというのは

「誰に」
忙しいビジネスパーソンに対して

「何を」
ここ、ポイントです。コーヒーではなく、サードプレイスを提供するという風に明言しています。

「どのように」
たとえば店内の雰囲気や提供する商品ともいえますが、その中核を占めているのが、スタッフによる接客なんです。

スターバックスは、スタッフの接客の重要性を分かってもらうために、入社した時にしっかりとスターバックスの理念について時間を取って研修を行い、理解をしてもらうところからスタートしています。
ですから、あなたの会社にもドメインというものがあります。
「誰に」「何を」「どのように」提供しているのか。
これをしっかりと掘り下げて自分自身で考えていくことで、自分の業務はどこに位置づけられるのか。
自分の業務の意味づけも分かってくるようになると思いますので、ぜひ自社あるいは事務所のドメインについて考えてみてください。

参考文献
●『MBAエッセンシャルズ(第3版)』内田学編著、岩瀬敦智ほか著(東洋経済新報社)
●『速修テキスト〈3〉企業経営理論〈2020年版〉 (TBC中小企業診断士試験シリーズ) 』山口正浩監修、岩瀬敦智ほか著(早稲田出版)
●『ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件』楠木建著(東洋経済新報社)

動画コンテンツの紹介:内定者・新入社員向け動画チャレンジ66

会社の若手社員の育成は、会社の将来を左右する重要な課題です。
その一方、昨今の若手社員のマインドやモチベーション管理は難しく、うまく育成できていないのでは?と不安を抱える経営者や人事担当者の人は少なくありません。
内定者・新入社員向け23本の動画にまとめました。
解説+解説の振り返り形式で繰り返しますので若手社員にもチャレンジしやすい内容になっています。

サンプル動画はこちら(無料)
【経営戦略を3分で解説】
コンビニの商品ロスは多い方が●●だった!?
内定者/新人研修66:DAY3

【経営戦略を6分で解説】
とある自動車メーカーが時価総額で競合他社を抜くことができた理由
内定者/新人研修66:DAY10

【経営戦略を7分で解説】
化粧品事業に進出した有名写真フィルム企業の秘策
内定者/新人研修66:DAY17

購入はこちら
※購入前に必ずご確認ください
個人情報の取扱
特定商取引法に関する表記
利用規約

 

お問合せはこちら
https://consellize.com/contact