【経営戦略を事例で解説】全米一のスーパー:スチューレオナードの秘密に迫る

理念の理解

あなたは、あなたが勤めている会社の理念は何かと聞かれたら、即座に答えられますか?
今回のテーマは「理念の理解」です。
会社の理念を理解できるようになれば、創業者の想いや経営者の考えなどをより深く知ることができると思います。
では、さっそく事例をもとに解説していきます。

小さなスーパー「スチューレオナード」

今回のお話はアメリカのスーパーマーケット「スチューレオナード」です。
あなたはこのスーパーマーケットを知っていますか?
アメリカで数店舗を展開している小規模チェーンのスーパーです。
店舗数が少ない、小さなスーパーなんですよ。
アメリカのスーパーというと、広い敷地の中に数万アイテムが並べられてるといわれています。
日本とは規模が違うんですね。
スチューレオナードも、店舗の面積としては他のスーパーと同じぐらいあるんですけど、展開しているアイテムは数千といわれています。
広さは同じなのに、数万アイテムと数千アイテム。
明らかにスチューレオナードの一店舗あたりのアイテム数は少ないです。
そうなると当然、面積あたりのアイテム数も少なくなります。

面積当たりの売上高でギネス記録

面積あたりというのは、例えば1平米あたりどのくらいアイテムが並んでるのかということですが、このスチューレオナードは、実は面積当たりの売上高でかつてギネスブックに登録されたこともあります。
”単位当たり・面積当たりの売上高ナンバーワン”なんです。
それだけじゃないですよ。アメリカで結構有名な雑誌が”アメリカで働きたい企業ベスト100”みたいな特集をやってるんですが、何年もランクインされているんです。
小さな小規模チェーンのスーパーなのに、そこにランクインされるって凄いですよね。
スチューレオナードは、なぜ”面積あたりの売上高ナンバーワン”になることができたのか?そして”働きたい企業ベスト100”に何年もランクインし続けるのか?言ってみれば、従業員満足度が高いのか。
なぜでしょう?

ミッション・ビジョン・バリュー

その疑問を紐解く鍵が、今回のテーマの「理念の理解」にあります。
経営理念というのは、「ミッション・ビジョン・バリュー」から形成されます。
言ってみればその企業が、何のために存在しているかという羅針盤です。
ミッションというのは使命ですね。私たちは何のために存在しているのか。
そしてビジョンというのは、私達はどこに行こうとしてるのか。
最後にバリューというのは価値観。つまり私たちは何を大切に考えるのか。

「うちの企業にはそういう経営理念っていうのは…言葉としてはないかなぁ…」

こういうお話ってよく聞くんですけど、経営理念というのは創業者や時の経営者の経営に関する想いそのものです。
ですから、言葉になってなかったとしても、必ずどのような会社にも経営理念というのは存在します。
全ての会社には理念が存在していて、それが経営者の羅針盤となる。そして経営者の羅針盤ということは、企業がその方向に向かいますから、従業員にとっての羅針盤にもなります。

理念が記された石碑のオブジェ

つまりなぜスチューレオナードが、”面積当たりの売上高ナンバーワン”そして従業員満足度が高いのか?
答えは、全ての会社には理念があり、経営者そして従業員の羅針盤であるからです。

スチューレオナードの理念って、お店に行くとすぐに分かるんですよ。
なぜなら、石碑のオブジェになって店頭に飾られているからです。

下記が彼らの理念です。

Rule 1 The Customer Is Always Right!
「お客さまは常に正しい」

Rule 2 If The Customer Is Ever Wrong, Reread Rule 1.
「お客さまがもし間違っている場合、ルール1をもう一度読め」

つまりお客さまは正しいですよっていうことをユニークたっぷりに理念として提示してるんですね。

お客さまと従業員が楽しめる売場づくり

じゃあなぜ、アイテム数が少ないのでしょうか?
それは新鮮さや出来立てにこだわってるからなんです。
自分たちで管理できるアイテム数で考えると、どうしても少なくならざるを得ないんです。
アイテム数が少ない代わりに何をやっているかというと、並んでる商品は少ないかもしれないですけど、各売場でブースを作って実演販売や試食をたくさん用意しています。
牛乳コーナーであれば、牛乳が加工されてる様子が見えるようになってるんです。

そうやってお客さまにとって、楽しい要素が売り場の中に詰まっています。
先ほどもお話ししたように、お店の前に石碑が提示されているわけですから、従業員としても、しっかりとお客さまに応えなければいけないという非常に大きな誇りを持ってます。
楽しんで買い物をするお客さまと接すると、楽しくなるじゃないですか。そういったところも、おそらく従業員満足度が高いというところと無関係ではないと思います。

今回お伝えしてきた理念の理解。
あなたの会社の理念について理解することによって、会社の想いや経営者が考えてることをより深く知ることができるようになると思います。
是非やってみてください。

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参考文献
●『MBAエッセンシャルズ(第3版)』内田学編著、岩瀬敦智ほか著(東洋経済新報社)
●『超繁盛店のツボとコツがゼッタイにわかる本』岩崎剛幸著(秀和システム)
●「僅か5店舗ながら、全米一の売上を上げるスチューレオナードとは?」人工知能(AI)のビジネス活用事例Webサイト(2018年11月29日)

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