【経営戦略を事例で解説】サウスウエスト航空が大手に勝ったワケ

戦略の本質とは

アメリカのサウスウエスト航空って知ってますか?
サウスウエスト航空の成功の秘訣は、戦略の本質。
戦略の本質が分かれば、あなたが勤めている会社や所属している部署が、ビジネスにおいて何を選択して、どこに集中しているのかが見えてきます。
では、さっそく解説に入りましょう。

小規模航空が着目したこと

サウスウエスト航空は、もともとは小さな航空会社で新規参入だったんです。
つまり、すでに大手の航空会社がいる中に、新しく参入したので工夫していかないと売上は伸びていかないですよね。
その時にサウスウエスト航空が選択した道というのは、小規模の空港と小規模の空港の間の路線に特化しました。

飛行機に乗らない人はちょっと分かりづらいかもしれませんが、例えば100人しか搭乗しない路線で大手がジャンボ機を飛ばしたら…これ赤字です。
しかし、100人乗りの飛行機を飛ばせれば、満席になるわけです。
サウスウエスト航空はそこに特化をしました。
そうすると何が起こるかというと、小規模の空港はハブ空港ではありません。
ハブ空港っていうのは乗り換えが発生しますよね。乗り換えが発生すると航空会社の人は、荷物を詰めなおさなきゃいけないんです。
一方で、ハブ空港でなければその仕事はカットできます。

また、今のLCCの走りでもありますが、サウスウエスト航空も機内食をなくしました。
それによって、機内食の調達コストも削減できるし、サーブするための人件費のコストも削減できます。

競合大手も低価格路線のサービス開始

結果的にサウスウエスト航空は、低価格路線のサウスウエスト航空ということで、一定の評価を得ることができました。
それから経営が安定して、どんどん黒字を続けていくことになります。

このように新規参入の企業が成功すると何が起こるか…。
元々いた既存の大手企業が真似をし始めます。ビジネスのカンニングはオッケーなんですね。
だからユナイテッド航空やデルタ航空という大手航空会社も

「あ!低価格路線がイケるんだったら、うちも低価格路線やろう」

と、それぞれが専門の航空会社を立ち上げて低価格路線に参入してきました。
そうなると、サウスウエスト航空よりもユナイテッド航空やデルタ航空の方が経営資源が豊富です。
経営資源とは「ヒト モノ カネ 情報」つまり経営にかけられる企業の財産です。
経営資源が小さなサウスウエスト航空に対して、大きなユナイテッド航空やデルタ航空が新規に低価格路線を始めたとしたらどうでしょう?
結果としては、経営資源が大きな大手2社は、残念ながら低価格路線から撤退していくことになります。
ではなぜ大手2社はうまくいかなかったんでしょうか?

環境変化への対応と経営資源の選択と集中

これを紐解く鍵が、今回のテーマの戦略の本質です。
戦略の本質として1つ目に、環境変化への対応というのがあります。
企業を取り巻く環境はめまぐるしく変わっていて、その中で企業はうまく環境変化に対応しながら自分たちが持っている経営資源を使っていかなければいけないんですね。

ただ、ここがポイントです。
経営資源の「ヒト モノ カネ 情報」は有限です。
有限ということは限りがあるということです。
これは、どんな大きな企業にも当てはまります。

2つ目。だから企業経営における戦略の本質というのは、選択と集中をしなければいけないということです。
なぜ大手2社の低価格路線がうまくいかなかったのか。
その答えは、戦略の本質が選択と集中であるからです。
サウスウエスト航空は、少ない経営資源ながら低価格路線に特化してドーンと経営資源を投下していきました。
だから消費者から見ても、

「低価格路線といえばサウスウエスト航空だよね」

というイメージがついて インパクトがあり、固定客がついていったんです。
一方で大手2社は、高価格路線もやりながらの低価格路線だったんですね。
大手は高価格というイメージもありますから、なかなか低価格路線のイメージがつかず、固定客がつかないんです。

戦略の本質は大手企業に勝る武器になる

ではあなたなら、客がつかない場合はどうしましょうか?
やはり広告宣伝に力を注ぎたいと思いますよね。
どんどんそこにお金をかけて、なんとか低価格路線もやっていることを知ってもらおう。こういう風に努力すると思います。
でも、あるときふと気がついたんですね。
大手2社は後から参入していることもあり、なかなか固定客がつかない。
なおかつ広告宣伝費ばかりがどんどん出ていく…。

「これ…割に合わなくない?」

こう思ったんですね。
そして大手2社は撤退を決意することになります。

戦略を立てる時は、選択と集中が重要です。
どこを選択して、どこに集中するのかっていうのをしっかりと見極めていかなければいけません。

あなたの会社や事務所では、果たして何を選択して、どこに集中しているでしょうか?
これを知ることによって、あなた自身が会社の中で必要なスキルやステップアップしていくべきキャリアは何かが見えてきやすくなると思います。
ぜひトライしてみてください。

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参考文献
●『MBAエッセンシャルズ(第3版)』内田学編著、岩瀬敦智ほか著(東洋経済新報社)
●『ストーリーとしての競争戦略 優れた戦略の条件』楠木建著(東洋経済新報社)
●『WHYから始めよ! インスパイア型リーダーはここが違う』サイモン・シネック著(日本経済新聞出版)

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